第5回コーチングセミナー2010

 第5回のメインゲストは、広島大学教授で理学療法士の浦辺幸夫先生と、湘南ベルマーレフットボールクラブのフットボールアカデミーディレクターの大森酉三郎氏でした。非常に贅沢なセミナーとなりました。

 浦辺先生は、全国でもトップクラスの理学療法士で、さまざまなスポーツをいろいろな角度から研究され、実際にチームのトレーナーも実践されています。今回は、若い選手が、大きなけがをする前にもともとの形態から、またトレーニングにおいて陥りがちな悪い癖を早急に発見し、可能な限りいい方向へ改善してやること。また、不幸にも大きなけがをしてしまった選手を、怪我をする前よりも強くして競技に復帰させること。そして何よりも、選手自身が自ら困難を乗り越えて行けるよう精神的にサポートしてあげることが自分たちの仕事のであると言われていました。一番重要なのは、指導者がそういう目で選手を育てられるかどうかを伝えることともおっしゃっていました。更に、ジュニア期の子供たちのトレーニングの考え方についても熱く語って頂きました。
 大森酉三郎氏は、自らの体験から、ジュニア期のスポーツ選手は、如何に社会性をもってスポーツを行うことができるかがキーポイントであると力説しました。チームは小さな社会であり、いかに技術が高くても、体力が勝っていても、ずる賢さをもっていても、精神的に社会性を持たなければ、最終的には大成はできない。サッカーのJリーグができて、各クラブにはユースチームの設置が義務付けられ、各クラブとも競って力を入れてきたが、結果的に、南アフリカにおけるサッカーの日本代表に選ばれている選手は、ほとんどが学校チームの選手であるという事実を示し、クラブチームのユース育成部門に対してまだやるべきことがあると自らを戒めるように我々に語ってくれました。
 次回は、それぞれ2コマ4時間ずつ講演をお願いします。あまりにも時間が足りませんでした。

▼第5回コーチングセミナー2010 セミナー様子
第5回コーチングセミナー2010風景1

第5回コーチングセミナー2010風景2