女子ホッケーの魅力
先月、女子ホッケーワールドカップが行われました。ご案内のとおり、この大会はインターネットで全試合とも全世界に生中継されました。素晴らしいことです。この大会の決勝戦を見て素直に感じたことが「女子ホッケーは面白い」ということです。コスチュームの話ではありませんよ。また、もちろん、男子ホッケーがつまらないという意味合いの話でもありません。何が面白いかというと、(男子と比べてという表現だと語弊がありますが)判断する余裕があるということです。男子の試合においては、当然女子よりもスピードがあり、またパワーも大きいのでホッケーそのものはダイナミックさが違います。しかし、男子ホッケーの場合はスピードがある分、相手に早く接近してしまうこと、また接近するのもスピードがあるため、次のプレーで何をすべきかという判断をする暇がありません。ましてや、今はプレスディフェンス全盛の時代であり、パスコースも消されてしまうため、結局意図的に反則を取ってマイボールにすることが精いっぱいとなってしまっている状況が多く見られます。トップレベルにおいては、ボールが来る前に判断しているダイレクトプレーなどまた違った魅力もあると思いますが、女子ホッケーの場合は、ボールが来てからの判断で充分に間に合っているといえます。従って、相手の守備の状況を見ながら、または味方のフォワードの動きに合わせたパスを、しかもフェイントを掛けながら出すことができます。そのパスが見事に通ったりすると、そしれそれがゴールにつながったりすると、本当にきれいでホッケーらしさを実感できます。
おそらく、今後は女子も男子並みのプレスとスピード化が進んでくると思いますが、ホッケーのルール、使っているフィールド、ゴールの大きさ、サークルの広さ、ボールの大きさ・重さ、スティックの長さ・形、フィールド上の選手の人数が同じである以上、男女の体格差が全く同じになるまでは、明らかにこの状況の違いは続くと思います。女子ホッケーは判断力の行使が容易な分、見ている方にも予測がつきやすい為、ホッケー自体が見やすく面白いという話でした。今まで男子ホッケーしかご覧になっていない方は、今後、そういった見方で女子ホッケーをご覧になっていただければ、内容がよくわかるのではないかと思います。同時に、男子の指導者は、選手の判断力をどのように育成していくかが問われる時代に入っていることを自覚しなければなりません。そして、いかにあの強烈なプレスを回避するのかを学ぶ必要があります。そうでなければ、ホッケーらしいホッケーができないまま試合が終わってしまうことになります。型にはめて形だけ覚えさせるやり方もありますが、それは判断力ではないことを十分に理解してから指導して下さい。判断のスピードを上げるためにどうしたらいいのか?こうしたらいいのではないかという意見をお待ちしています。
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