試合時間

試合時間は、各15分の4クオーター制 (計60分) で行われ、1Q と 3Q の後は2分、2Q 終了後は10分のハーフタイムが設けられます。
また、一部の国内競技会は、前・後半各35分 (計70分) で行われ、5~10分のハーフタイムが入ります。

勝敗

決められた時間内で得点を多くとったチームが勝者となる。同点の場合は延長戦を行い、得点が入った時点で試合終了のゴールデンゴール方式がとられる。決着がつかない場合は、サッカーのPK戦にあたるPS(ペナルティーストローク)戦が行われ、5名ずつのシューターによって争われる。

チームの人数・出場登録選手

出場登録選手は、1チーム18名※。 フィールドに立てるのはサッカーと同じ11人で、1人のゴールキーパーと10人のフィールドプレイヤーによって構成される。

ホッケーでは、選手交代は自由で、なおかつ何回でも交代できるので選手交代のタイミングが試合を大きく左右する。どの選手の運動量が落ちているか、試合の流れはどうなっているか、選手交代はいつ行われるかなどを読み切ることが試合を楽しむテクニックといえる。

※国際ルールでは16名、国内の大会では別規定で行われる場合もある。

フィールド

ホッケーフィールド

競技フィールドは、横55m×縦91.4m※。ゴールはタテ2.14m、ヨコ3.66mの大きさで、そこにボールを入れて得点を競う。1972年からは、オリンピック、ワールドカップ、アジア大会など国際大会は全て人工芝のフィールドで行われるようになり、現在、国内の主要な大会もすべて人工芝フィールドとなった。これにより、球速が速くなり、プレイヤーのスピード、体力、技術が更に要求されるエキサイティングなプレーが展開されるようになった。

※ホッケーはもともと英国で始まったスポーツで、すべての標記はヤード(1ヤード=91.4cm)だったが、最近はメートル表示となった。

用具

●スティック
先端部が湾曲した形状で(金属もしくは金属を含む材質以外で)作られた棒状のものをスティックと呼ぶ。重さの制限はあるが(最大重量737g)長さの制限はない。市販されているものは、長さ約90cmのものがほとんどである。スティックには平らな面と、丸い面があり、平らな面でしかボールを扱うことはできない。そのため、ドリブルなどをおこなうときは、スティックをくるっと回しながら、平らな面のみ使うようにしなければならずテクニックを要する。近年は、従来までの平らな面に加えてスティックの側面を使ったプレーが出現し、急速に普及しており、ホッケーのスタイルを変化させている。スティックはメーカーにより、年々、改良が重ねられ、最近ではハイテク素材(グラスファイバーなど)を使ったスティックが増えている。それによって、反発力などが増し、よりボールスピードがあがり、スピーディーなゲームが展開されるようになってきている。
●ボール
ボールの規定は「その材質を問わず、硬い球であること」。ピンとこない方は、野球の硬球を想像してみてほしい。ほぼ同じ大きさ、重さで、硬球よりも硬いのがホッケーで使われているボールなのである。最近では、表面を硬化プラスティックで覆って、ゴルフボールのようにディンプルをつけたものが主流で、ボールスピードは、160km以上にもなり、世界のトッププレイヤーともなると200km以上ものスピードに達することもある。重量:156g以上、163g以下 /周径:224mm以上、235mm以下

表面:なめらかでなければならないが、縫い目やディンプル・ボールのくぼみは認められる。

色:白色または合意に基づく色

●ゴールキーパー
ゴールキーパーに限り使用が許されているものには、ボディプロテクター、レガード(すねあて12インチ以下のもの)、キッカー(足の甲あて)、グローブ、ヘルメット等がある。サークル内では全身を使えることになっている。また、肩より上のボールをスティックで扱ってもよく、最後の守備者として体を張ってゴールを守る。

ホッケールールのポイント

●オフサイドの廃止
サッカー同様、ホッケーにもオフサイドは過去存在していたが、ルール改正により廃止され得点の入る確率が以前より増え、よりスピーディーでスリリングなゲームとなった。
●サークル
ホッケーでは、サークルと呼ばれるほぼ半円の中からシュートを打たないと、得点とみなされない。従って、サッカーのようなロングシュートはあり得ない。また、ホッケーでは、シュートの時を除いて、基本的にボールを上げてはいけないので、サッカーのように空中にセンタリングを上げることができない。そのためホッケーでは、ゴール前の駆け引き、すなわち、攻撃側はドリブル、パスを使っていかに相手守備陣をかいくぐって得点するか、守備側はそれをどう防ぐかが、最大の見所となる。
●選手の交代
ホッケーでは選手の交代は、ペナルティーコーナーの時を除き、いつでも、一度に何人でも行なうことができる。サッカーと異なり、一度ベンチに下がった選手でも、再びフィールドに戻ることができる。選手の交代のために時間が止まることはないが、ゴールキーパーの交代の時だけは時間は止まる。
●警告、退場
ホッケーではカードが3種類ある。グリーンカード、イエローカード、レッドカードの三つである。グリーンカードは警告を、イエローカードは一時退場を、レッドカードは即時退場を表している。グリーンカードを出されても退場になることはないが、イエローカードを出されると、5分以上の退場となる。実際にどれくらいの時間、退場になるかは審判の裁量にまかされている。レッドカードは即時退場で、その試合にはもう出ることができなくなる。
●ペナルティーコーナー
ホッケーを最も特徴づけるセットプレーである。また、このプレーにより得点のはいる確率は高いので、このプレーの出来が試合の流れを大きく左右する。ペナルティーコーナーは、以下の時に攻撃側に与えられる。

  1. サークル内で守備側が反則を犯した場合
  2. 自陣23mエリア内で守備側が故意の反則を犯した場合
  3. 守備側が故意にバックラインをこえるようにボールを出した場合

攻撃側は、ゴールポストから10m離れた地点から、パッサーがボールをストロークし、サークルの外でストッパーがボールを止め、それからシューターがシュートを行なう。攻撃側はこのセットプレーに何人参加しても良いが、ボールが出されるまで、サークル内に入ることはできない。第1シュートがヒットで行なわれる場合、ゴールのボードの高さ(46cm)以上にあげてはいけない。第1シュートがヒット以外の方法で行なわれる場合や、第2シュート以降はボールをあげても良い。守備側はゴールキーパー1人と、フィールドプレイヤー4人で守り、球がストロークされるまでは、ゴールラインよりも外か、ゴールポストから4.55m以内のバックラインよりも外に位置しなければならない。それ以外の守備側の選手はハーフラインまで戻らなくてはならない。

ペナルティーコーナーは、前述したように、攻撃側の人数の方が多い状態で、プレーを開始できるため、非常に攻撃側に有利である。攻撃側はいかに確実に得点をとるか、守備側は不利な条件でいかに守るか、がペナルティーコーナーの見所である。

●審判
ホッケーでは審判は2人、どちらも主審である。2人でアンパイアリングを行なうが、自分のサイドのサークル内は全責任を負う。ホッケーはボールのスピードが速いため、試合展開が速く、審判1人ではとても無理である。また、ボールが小さく速いので、見極めるのが大変である。フィールド内において審判は、絶対的な権限を持っている
●人工芝
ホッケーはもともと天然芝の上でおこなうスポーツだったが、現在では人工芝で行なうようになった。国際的な大会では必ず、日本においても全国的な大会では全て、人工芝で行なわれている。ホッケーでは、転倒した際に、摩擦によりやけどするのを防ぐため人工芝に水を撒いてプレーをする。水を撒くことで、ダイナミックなプレーが可能になり、ボールのスピードがさらに上がり、また、ミスが激減した。そのため、スピーディーで、スリリングなゲームが展開されるようになり、より魅力的なスポーツになった。